理想と現実

エンターテナーは
ステージだけの話じゃないと思う。
役を徹底して
演じ切らないとダメだと僕は思う。

マイケルを御覧なさい、
肌を白くして整形して
私生活なんてなくて
ステージに比重が凄いじゃん。
そこに命賭けてるじゃん。
日本の人は比重が
私生活に偏りすぎてて、
もはや普通の人みたい。

理想と現実があって
夢を追う人なら
理想に近づこうとするもんじゃない?
理想像があって
その理想像なら
どんな行動に出るか、
とか考えるもんだと思う。

そう言うのがないから
美学とか主張とか
感じないんじゃないかな。

だから、
みんなの理想や夢と言うのが
僕にはよく分からない。
みんなが憧れて
追い求める理想像があるとしたら
こんなにも
エナジーがないはずがない。

その架空の理想の人は
あなたを夢のある方向に
必ず引っ張っていくはず。

昔書いた劇で、
悪魔と正義のヒーローが
戦って、
正義が負けて
「今日の所は
これで勘弁してください」
とお金を渡して立ち去る、
と言うのを作ったら
見た人に怒られたんですね。

やっぱりステージは
夢がないと
ダメなんですよね。
みんなは日頃、
嫌な現実に
いっぱい接してるんだから。

だからステージに立つ人が
金に汚いとか
長い物に巻かれるとか
そう言う現実的な
ショボさを出しちゃうと
幻滅するわけですよ。
なんか夢がないの。

それなら
夢を見なきゃいいんですよ。
夢を壊すくらいなら
普通に働いてれば良いの。

あなたが長い物に巻かれたり
ダーティーな事をして
何か利益があったとして、
あなた個人は
それで嬉しいかも知れないけど
あなたの理想は
それをどう思ってるの?

そのギャップが開いてくると
中途半端な人になっちゃって
どうしようもなくなる。
現実を優先してる人が
ステージに上がるから
それが嘘になる
みたいになっていく。

なぜそれが嘘かと言うと、
自分の事しか考えてないのに
人に何かを提示するから。

だから現実を優先したいなら
最初から普通に働いてれば
わざわざ嘘をつかなくても
済むわけです。