プッチンプリンその4

ババロアの話でしたね。

そもそもババロアに
どうしてこんなに
こだわるのかと言うと、
小学校低学年の時ですが
誕生日が来ると母が
ケーキではなくババロアを
作って祝ってくれたんです。
それが凄く好きだったんです。

それ以来ババロアを
食べてなかったんですが、
脳裏には焼き付いてるんです。
俺は絶対音感はないけど、
ババロアの味は
脳裏に焼き付いてるんです。

俺はある日、
ついにコンビニに
買いたいデザートが
少なすぎて怒りが爆発しました。
そして弟にそのことを
切実に訴えました。

「奴らのチョイスが
全然俺の心に響かない!」
「上層部の連中は、
現場が分かってない!」
「これが正にお役所仕事だ!」
「患者をたらい回しにするな!」

怒ってるうちに、
だんだんなにが
言いたいのかわからなくなってきました。
でも、何を求めていたのかが
わかってきました。
それが、
幼少期に食べたババロアだったのです。
でも、ババロアは
人気がなくて簡単には売ってません。

でも優しい弟は、
なんとスーパーでババロアの素を
兄のために買ってきてくれました。
そして二人でババロアを
作る事になりました。(バカ兄弟)

男二人がババロアを
作ってるシーンは気持ち悪いので
お見せ出来ません。
内容は、ほとんど弟が作って、
俺はその周りを衛星のように
回ってるだけです。
こうして、二人で?
作ったババロアが完成しました!

出来上がったババロアを
一口食べた感想は!
「ん?甘さが足りない気がする、、」
最近のデザートに比べると
かなり甘さ控えめです。
でも、幼少の頃に食べた感覚が
徐々に甦ってきました。
そうそう、こんな感じ!
これでいいんだよ、
そもそもこうゆう味なんだよ。。

付属のオレンジソースが
ついてましたが、
そんな物使うとバニラの風味が
損なわれると思って
なかなか使いませんでした。
しかし、なにかパンチが足りず、
かけてしまいました。。
かけて食べた方がうまかった。。

つまり、ババロアって
かなり地味な味なんですよ。
いや、違う。
繊細な味なんですよ。
日頃、プッチンプリンとか
派手な味の物ばっかり食べてると、
舌がバカになって
その味がわからなくなって
しまいがちです。
大切な物を見失いがちです。
古きよきアメリカの良心は
どこにいったんですか?

この微妙な味わいは、
めまぐるしい社会に
身をおいてると分らないんです。
心と時間のゆとりがあってこそ
味が分かります。
食べて、すぐ甘いんじゃなくて、
甘味がほのかにやってくるんです。
何か物足りなさを感じて
イライラしてるようじゃダメです。
オレンジソース使ってるようじゃ
修行が足りません。
それはきっと
現代社会の心のせわしなさが
染み付いてるせいです。
何事も焦ってはダメです。
もっと人間本来の大事な事って
あるでしょ?
そう言った心持ちで食べてください。。

まあ、結論を言うと、
やっぱりババロアは
メジャーにはなれそうもないですね。。

これでプッチンプリン全4章を
終わります。
この傑作を親愛なる読者
ジュンコさんに棒げます!
今まで本当にありがとう、
元気で頑張って下さいね。